第238章 決して彼女を許さない

「どうして起きたんだ?」

 彼は手元の仕事を中断してノートパソコンを閉じると、低く柔らかな声で問いかけた。

「よく眠れたか? まだ一時間ちょっとしか経っていないぞ」

 橘凛は彼の隣にあるソファへと歩み寄り、腰を下ろした。彼女は小さく首を振り、顔には安眠を妨げられたことへの微かな不満と諦めを滲ませる。

「電話で起こされちゃって。もう目が冴えてしまったわ」

「誰からだ?」

 一条星夜はわずかに眉を顰めた。この時間に橘凛を叩き起こすなど、よほどの緊急事態に違いない。

「貝本直紀よ」

 橘凛は隠し立てすることなく、事の顛末を簡潔に伝えた。

「私のジュエリー会社のパートナーなんだけど...

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